2004年01月30日
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サブカルチャー文学論 大塚英志 朝日新聞社

Written By: 川俣 晶連絡先

 オンライン販売のサイトにユーザー登録すると、よく「宣伝メールを送っても良いですか」という質問が含まれています。その際、わりと許可の方にチェックを入れています。どんなものを送ってくるか興味もあるので。しかし、完全に読むことは希です。

 そんな中にアマゾンから送ってくる電子メールDMもあります。

 なにげなく、DMフォルダに投げ込もうと思ってちらっと中を見ると。

 こんなタイトルが。

『サブカルチャー文学論』

大塚英志(著)

 大塚英志さんといえば、「物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン」 (感想)であるとか「キャラクター小説の作り方」を読んで、特に文学論と絡んだところで、なかなか興味深い人だと思っていました。そのため、興味を惹かれたわけです。

 しかし、それだけで本を買うほどリッチではありません。金もなければ読む時間も無いのです。なけなしの時間は既に買った本を読むために使われねばなりません。

 ところが、その後に続く解説文を読んで考えが変わりました。

「サブカルチャー」と「文学」の間に明確な線を引いた江藤淳の志を継ぎ、自らが身を置くサブカルチャーの側から、80年代以降の文学を一刀両断する画期的論考。

 こんなところで江藤淳!

 江藤淳さんというのは、あまり詳しいわけではありませんが、印象深い名前の1つです。

 高校の時に現代国語の先生から「漱石とその時代」を紹介されて、とてもエキサイティングで面白かった記憶があります。これはポジティブな印象です。

 一方、電子出版などに対して極めて批判的であり、しかもかなりずれた批判を行っているという感がありました。ネームバリューを盾に、現実とはずれた主張をゴリゴリと押して実直な電子出版や符号化文字集合規格関係者に迷惑を掛けたような印象が残ります。これはネガティブな印象です。

 こういう江藤淳さんという名前が、大塚英志さんという名前とどうつながってくるのか。そこのところが、とても好奇心を刺激されるではありませんか。

 というわけで、アマゾンでオーダーしてしまいました。まだ発売されていない本なので、届くのはしばらく先でしょう。

 しかし、最近は本当に高い本を買うことが多くなりました。お財布的には、けっこうトホホな感じです。

2004年2月11日追記 §

 帰宅したら届いてました。

 既に戦争論(上中下)と「オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン」も届いていたのですが、それに加えてこれも。計5冊が1日に届いたことになります。けっこう壮絶感があります。